感じるとは?/ キャッシュワン
[ 256] 『フルメタル・パニック!』に感じる不快。 - Something Orange
[引用サイト] http://d.hatena.ne.jp/kaien/20071022/p1
美貌の男レナードに誘拐されたうえ求婚された少女千鳥かなめは、かれへの嫌悪感をこんなふうに語る。 「隣のクラスにね、すっごいキモい男子がいたわ。体重が一○○キロくらいあって、いつもフウフウ汗かいてて、しょっちゅうあたしとか色んな女子をニヤニヤしながら見てた。ストーカーみたいなこともしてたらしいし、監禁とかロリコンとかのやらしい本をたくさん持ってるなんて話も聞いたことがある。どこまで本当かは知らないけどね。とにかく、そういうタイプ。何考えてるのか全然わからない奴。……さて問題です。そのキモい男子と、あんた。どちらかと付き合わなきゃならなくなったとして、あたしはどちらを選ぶと思う?」 「聞いて驚きなさい。あたしは真剣にこの命題を一日かけて考えたんだけど――本当に分からないの。つまるところ、あんたとあのキモい男子の違いは、イケメンかブサイクか、ただそれだけなのよ(略)」 レナードはかなめを拉致監禁したいるけれど、その「キモい男子」は別に何もしていない。かれの罪はただ「キモい」ことだけだ。 ・100キロくらい体重があって、いつもフウフウ汗かいてる。・いつもいろんな女子をニヤニヤしながら見ている。・ストーカーみたいなこともしてたらしい。・監禁とかロリコンとかのやらしい本をたくさん持ってるなんて噂がある。 えっと、ようするにかなめは、レナードに向けて「あんたはストーカーとかロリコンとかの疑惑がある100キロのデブと同レベルよ」といっているわけですよね。これ、めちゃくちゃしゃくにさわる言い草だと思うんだけれど、どう? 「やらしい本をいっぱい持っているらしいよ。キモいよね」とか「不細工な癖に笑うな。こっち見るな。キモいから」と思うことも自由だ。 じっさいの話、女性はそういう男ににやにや見つめられたら、気味が悪いと思う。とくにかなめさんは美少女ですからね、いつも汗をかいているデブなてさぞキモいことでしょう。 でも、容姿に、体重に、態度に、あてにならない噂、そういった、ひとつひとつ全く次元が異なっているはずのことを全部まとめて「キモい」でくくってしまうような感性が、心底きらいだ。 そもそも、その「キモい男子」は、レナードと違って、かなめに告白したわけじゃない。それなのに、なぜ自分が選ぶ立場であることを前提にして考えているんだ? かなめの好感度、1ポイントダウン。 賀東さんはじっさいに100キロを超える読者もいるんだってこと考えなかったのかな。『フルメタ』はおもしろいけれど、時々、こういうところでひっかかるんだよね。 作者が酒乱だろうが殺人鬼だろうが作品には関係ない。そしてそれが作品内で何らかの意味をもつなら、どんな邪悪で冷酷なヒロインを生み出してもらっても結構。 この発言はかなめの性格描写の一環として何かしら効果を挙げているだろうか? むしろ彼女の凡庸さを表しているだけじゃないか? 引用されているような「決め付け」自体は私も好きではありませんが、「普通の高校生の女の子」がその辺を完璧に配慮するのは難しいように思います。そういう意味では「キモい」という発言も仕方ないものと考えてしまいます。確か千鳥かなめというキャラクターは「ヤな奴」という側面も持たせられているんですよね。タイトル失念しましたが短編でそんな話があったはず。この辺については賀東氏がどこかのあとがきで言及していたような。――「ちょっとツッコミ」 かなめが特別非情なわけでも、残酷なわけでもない。ただ普通に思慮が足らず、普通に傲慢なだけ。そこらの女子高生にだって同じような人間はいくらでもいるだろう。だからこそ問題なのだとぼくは思う。 これが、ひとをひととも思わないような本物の残酷さならそれは彼女の魅力になりえるかもしれない。しかし、ここでのかなめの傲慢さはどこまでも「普通」でしかない。 既刊十数巻におよぶ大長編小説のメインヒロインが、そんな普通のいやな奴でどうする? そう見えることは作者のミスじゃないか? もちろん、ささいなミスではある。それだけで『フルメタル・パニック!』全編の評価が変わるわけじゃない。でも、ちょっとどうかと思うのです。 でもわがままさがにじみ出てる部分と割り切れば人柄のよく見えるエピソードではないかと思う。でぶなので悲しいけど >かなめは、レナードに向けて「あんたはストーカーとかロリコンとかの疑惑がある100キロのデブと同レベルよ」といっているわけですよね。これ、めちゃくちゃしゃくにさわる言い草だと思うこの文章の意味が前後を読んでもさっぱりわからないんだけど、だれにとってしゃくにさわるんだろう。抜粋した部分だけを読むとレナードにとってしゃくにさわる、という意味にしかとれないんだけど、それだと今度は記事の主旨に全然関係ないし。 それから、『戦うボーイ・ミーツ・ガール』しか読んでいない僕には作者のミスかどうかは判断できないけど、この記事が海燕のミスだということは判断できる。文章を読む限りでは、このブログ読者全体、つまりフルメタを全然読んでいない人たちまでも含めて、「作者のミスだと思うんだけど、どう?」と訊いている。要するに、海燕が抜粋したこの部分だけを読んで判断してくれといっているように読める(そうじゃないと言うかもしれないがそう読めるんだからしかたない、抜粋ってのはそういうことだから)。それは作者と、作者が生み出した人格に対してかなり失礼なことじゃないだろうか。こういう記事を書くのであれば、「フルメタを通読している人に訊きたいのだが」と枕を置くか、あるいは「ここだけを読んで自分が感じたこと」として作者の作劇ミス云々には触れないか、あるいはフルメタ全巻全文をがんばって引用して作者と富士見書房から訴えられて裁判で負けて賠償金を支払うか、そのどれかの配慮が必要だったと思う。 この千鳥の言動は全く問題ないです。だって彼女はただの高校生ですから。萌え系の「普通」とは違う、清濁合わせ持った正真正銘の普通です。要は普通の高校生である千鳥が、いきなりハードボイルド世界に投げ込まれた時どういう反応したか、なんですよ。フルメタ長編における彼女の言動は一致していて、「私は普通の高校生だ」「こんな奴らに普通を奪われてたまるか」です。彼女は普通を守るためには全く妥協しません。その頑なさは千鳥の魅力なので、kaienさんには合わないだけだと思ったほうがいいです。 読んでてそんなに感じなかったなぁ…かなめに言わせれば「私にだって選択の権利は無いけど、アンタにだってヒロインポイントだの言われる筋合いは無いのよ!」とか言われるまぁそういうヒロインじゃないかと。普通に生きてた女子高生が悪態付くくらい良いんじゃないですかね。 かなめの発言のキモは、何考えてるかわからないからキモい、だと思います。体重が100キロあることやエロ本持ってること自体をキモいとは言っていないと思います。何考えてるかよく分からないという点において、レナードと隣のクラスの男子は一緒だと言っているんだと思います。 実際に誘拐した犯罪者と犯罪に手を染めそうではあるけど今の所キモイだけの人が同列に扱われているのがおかしいんじゃないですか? さらに言うと、「じっさいに自分に好意を示しているひと」と「ただの隣のクラスの同級生」を同列に扱っていることもおかしい。 仮にぼくが同じようなことをブログに書いたら「そういうのって普通だよね」とは言ってもらえないと思うんですが。非難されまくるに決まっている。 ただ不快にさせるだけかもしれない台詞を「ヒロイン」に言わせるのがマズイ、ってことですよね? そんなに変な意見じゃないと思います。もちろん嫌悪感を抱かない人も居るでしょうけど、抱く人も結構いると思いますよこの台詞。そしてその逆があれば良いんですけど、この台詞には嫌悪感を抱かない人たちに対してかなめを魅力的に写す類の言葉でもないですし。五十害あって一利無し、みたいな。 >>仮にぼくが同じようなことをブログに書いたら「そういうのって普通だよね」とは言ってもらえないと思うんですが。非難されまくるに決まっている。……かなめだって、ブログで「隣のクラスにね、すっごいキモい男子が(以下省略)」なんて書いたら非難の山だと思うんですが。 似たような話題では、よしながふみ『西洋骨董洋菓子店』4巻に出てくる誘拐犯の造形はヒドかったですね。どちらも、現実は得てしてそんなものという「リアリティ」を演出しているのだと思いますが、そんなレベルの低いリアルは物語に必要なんですかね。あらゆる方向にデリカシーを発揮しつつ、作品を成立させるというのもなかなか難しいでしょうけど。 「嫌悪感を抱いている」というくくりで、全然違う話でもない様な・・・要は「どっちも気持ち悪い」と言いたいだけでしょうそれに長編のヒロインがこんな嫌な奴でいいのかってダメって誰が決めたんです?長い本編の中のこんな少しの台詞で嫌な奴扱いってのは乱暴が過ぎるかと。かなめのこういった独断と偏見に満ちた台詞はいくらでもありますよ。・・・短編とかに すでに意見としては出ているようですが、書かれたそのセリフに必然性があるかどうかという問題だとするならば、別におかしなことではないと思います。物語に、あるいはキャラクター造形について、特に必須と思われない部分で、無駄に一部の読者を不快にさせるセリフを入れる必要はない、という。「そのことにどういう意味があるのだ」と問うたときに、作者が答えられないのであれば、おそらくそれは「ミス」と呼ぶことができるのでしょう。実際、短編中に、かなめの「おいおい」とつっこみたくなるようなセリフはけっこう多いですが、それが笑いに寄与しているのであればかまわないわけです。そこで「あらゆる読者を傷つけてはいけない」となれば、毒にも薬にもならないものしかできあがらないでしょう。個人的には、長編の主人公は、その作品の結構に応じただけの「格」というものがあったほうが望ましいという点で、海燕さんの感覚には共感できます。ヒーローやヒロインにはつまらないやつであってほしくないという、これは私にとっての願望ですね。 テンプレートのようなわかりやすさを求めた結果の言葉だと思いますよ。「お前を不快に思う」と言うことをプライドもズタズタにする狙いも込めて言うならばまさに適切な言葉でしょう。そういうキャラが嫌いというのは個々人の好き嫌いの問題でしょうが。あなたが100キロ超の人間で不快に感じるなら、リアリティを持った言葉として一般読者に届いており成功といえる文言だったと私は感じますね。 あきらかに意図してわざと書いてると思います。こういう事をこのキャラに言わせたらこっち系の読者がどう思うかわかったうえでやってるとしか思えません。理由はよくわかりませんがあえて3つ挙げるとすれば1.物語に読者がはまりすぎて現実を捨てさせないため。毒 舌キャラを使って物語世界に現実世界の文脈を取り入れ て目を覚めさせようとした。2.物語にもっとはまらせるため。現実世界の悲惨さをチ ラチラと毒舌キャラを使って覗かせた。3.作者がテッサ派でありテッサを際立たせるため(谷川流 とのインタミューで行き過ぎたツンデレが許せない言っ ていました)美少女キャラがオタクに厳しい発言する・・こういうのは最近増えてる気がします。「いぬかみっ」にも「らき☆すた」にも見受けられました。賀東氏の世代を考えても「オタクは自虐・諧謔がなければならない」という信念があるようにも思えます。最近の自虐しないオタクの開き直り(=現実を捨てたオタク)に対するアンチテーゼ?かもしれませんね。 かなめは最初ソースケを見たとき「軍事オタクでキモイ」との感想を口にしてます。かなめにとっては「オタクはキモイ」という観念があるんでしょう。精神的に成長してないといえばそうですが、かなめは元々そういうキャラです。(親友のキョーコはオタクの要素ありまくりですが)ソースケはただの「オタク」じゃなく「本物」でしたからね。 追記されている部分「作劇の方法論として、この描写はマイナスではないか?」この文章を最初に書き、論理的に分析すれば大人が読める文章。書かれていることは殆ど感情論であった、と指摘されて怒る気持ちは分かるが事実である。よくよく、自身の文章に論理性、合理性があるものか考えてもらいたい。もちろん、分からなければそれは仕方がないことである。以上、通りがかりの小説家より。 いまならDL販売で格安入手可能! わが最愛のゲーム。表紙イラストの印象に反し、楽しくも切ない名作です。↑の画像をクリックすると記事へ飛びます。 SF史上屈指の傑作! どんな場所にも移動できる能力ジョウントが世界を変えた時代を舞台に、一人の男の絢爛たる復讐劇を描く。★★★★★級の作品。 「美姫を守って単機敵中翔破、1万2千キロ。やれるかね?」。美しい姫君と孤独な飛空士の身分違いの恋。各書評サイトで話題沸騰中の快作です。 いま、中国では日本製のアニメとマンガが猛烈なブームとなっている。その実態を精密に調査し、現代中国における反日感情の実像に迫った驚愕のドキュメンタリー。 海賊船に売られ、奴隷として数年を過ごしたあと帰ってきた男。故郷でかれを待ち受けていたものは国姫の家庭教師という仕事と陰謀の暗雲だった。荘重な本格ファンタジィ! |
[ 257] 感じる小説 Romance Library____Love Esthe_[ラブエステ]
[引用サイト] http://www.loveesthe.com/syousetsu/index.html
キュンと感じちゃう女の子のための官能小説。ココロもカラダもウルウル潤うよ。最近フェロモン枯れ気味の人も、HOTな人もみんなでトロけましょう! その日のはるかは、顔見知りである亮平の目から見ても、とても綺麗で垢抜けていた。実際、レストランへの道のりを歩いていただけでも、道行く男がかなりの確率で振り返る。亮平は、あまりはるかに隙を見せたくは無かったので、目のやり場に困った。よく見れば見るほど、自分が思わず見とれてしまうのではないかと思ったからだ。 結局、地元の友達とやらも誰一人居ない。全員、都合が悪くなったのだという。みんな東京でいつでも会えるから、こんなもんなのよとはるかは笑って言った。そして、肝心の冴子には、はるかから声さえかけていないという。俺の早とちりだったのか?珍しく連絡を取り合わないからこんなことになったのか…。今日、あんな言い合いさえしていなければ、普段どおり連絡したのに…。そうすれば、こんな洒落たレストランの美味い料理を前にして、こんな浮かない気分にならずに済んだのに…。亮平は、そんなことばかりをずっと考えていた。 はるかは、店内に入り尚いっそう綺麗に見えた。薄明るい照明と、はるかの気だるい様な雰囲気がよく合っていた。 「ねっ、今日は仕方ないから飲もう飲もう!たまには悪いこともいいよね。せっかく、こんな素敵なところに来たんだからもったいないよ。」 と、店に入るなりはるかはとりあえず酒ばかりを大量に注文した。亮平は、酒にはとても弱かった。遊び半分で友達と飲んだことはあったが、好きでもなかったし美味いとも思わなかった。ただ、自分が弱いということだけは分かっていた。酒癖が悪いと、仲間内でも評判だった。 店に入ってまだ30分足らずだったが、亮平は何度もトイレへ立った。アルコールを早く体外へ出そうという努力をしていた。この状況で酔うわけにはいかない、が既にトイレに向かう自分の足が浮ついていることに気づいてはいた。 トイレの度に冴子になんとかして連絡を取ろうと思い、店の電話を借りて冴子の家へ電話し続けた。しかし、運悪く留守だった。誰も出ない。次第に亮平は苛立ってきた。あんなに勉強勉強とうるさく言うくせに、自分はどこへ出かけてるんだ?出かけるなら、少しくらい自分との時間を増やしてくれてもいいじゃないか。 もう何度電話を借りただろう。最初は快く貸してくれた店側も、何度も何度も借りるうち、そして店内が一層混み始め、忙しくなった為に面倒な表情を隠さなくなってきた。 「…ごめんね。私てっきり、亮平君が冴ちゃんをつれてくるものだとばかり思っていたのよ。気が利かなかったね。」 亮平は黙るしかなかった。あれは喧嘩ではない。自分のわがままだと思う。なぜなら冴子は何一つ間違っていないから。いつも。 だけど、人と人の付き合いってそういうものだろうか。正しい、間違っているだけで、全てが片付くものだろうか。時には、理屈ではない感情に翻弄されることもあるし、相手のそういう部分を理解することも必要なんじゃないか? というはるかの声で、前に座るはるかに目を移した。はるかも、店に入ってから飲み続けていたので、相当な量の酒を飲んでいた。多量の酒が、はるかの首元と頬を高潮させ、目を潤ませていた。 「私、冴ちゃんってすごいなーって昔からずっと思ってた。なんていうか、正義そのものっていうか、信念を曲げないっていうか…。」 亮平ははっとして、はるかを見た。はるかはグラスの酒を飲み干し、へらへらと笑ってはいたが目は真剣だった。 「…俺も、そう思う。冴子はいつも正しい。だけど、その正しい冴子を見せ付けられすぎると、自分がなんだか間違っている人間に思えることもたまにあって…」 あぁ、なんでこんなこと自分はこの人にしゃべってるんだと思ったが、一度口に出してしまった思いはもう止まらなかった。 |
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